クリニックでの社会保険加入について

個人クリニックで正職員3名で医師国保に加入しているのですが、職員から医師国保ではなく、社会保険(協会けんぽ・厚生年金)に加入して欲しいとの要望が有り、加入した方が良いか検討されるケースも出てきます。

まず、社会保険の加入義務が有るかどうかについてですが、個人クリニックで正職員・30時間以上のパート職員が5名未満の場合は、加入の義務は有りません。法人化した場合は、加入が義務となります。

第二に、社会保険に加入する場合の制度の組み合わせについてですが、

①医師国保+厚生年金、②協会けんぽ+厚生年金 の組み合わせが有ります。

①医師国保+厚生年金は、現在の医師国保に厚生年金の部分のみの事業主負担増となります。

②協会けんぽ+厚生年金は、健康保険・厚生年金の両制度の事業主負担増が発生します。

事業主負担は、標準報酬月額に対して協会けんぽ(東京都)が平成30年3月分から4.95%(+40歳以上は介護保険料0.785%)、厚生年金が9.15%の負担が有ります。

例)月額給与28万円の場合、健康保険料13,860円・介護保険料2,198円・厚生年金保険料25,620円 合計41,678円

 

第三に給付の違いを考慮する必要が有ります。私傷病だけでなく、クリニックは女性が多い職場で、出産の際の所得補償も重要な要素になります。協会けんぽには、私傷病休職時の傷病手当金と、産前産後休暇中の出産手当金が有り、給与の2/3は補償されます。しかし、医師国保には傷病手当金・出産手当金の制度が有りません。

 

上記の制度の違いを把握して頂き、必要な時期に必要な組み合わせで加入を検討することが必要となります。

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